多くの日本で修士課程を目指す留学生にとって、専攻選びは非常に悩ましい課題かもし
れません。なぜなら、それは留学生活が順調に進むかどうかだけでなく、卒業後の進学や就
職の方向性にも深く関わってくるからです。
しかし同時に、これは大きなチャンスでもあります。たとえば、自分の学部時代の専攻に満
足していなかったり、他により興味のある分野がある場合、進路を見直す良い機会と言える
でしょう。
とはいえ、専攻の変更は誰でも簡単にできるわけではありません。特に理工系の分野では、
修士課程の出願に一定のハードルがあり、学部段階での専門的な学習経験がなければ、受験
準備はかなり難しくなります。
それでは、どのような専攻が比較的転科しやすいのでしょうか?
今回は、文転(文系への転向)を希望する方におすすめの分野として、「社会学」という学
科をご紹介します。
(日本の多くの総合大学には、東京大学、一橋大学、早稲田大学などをはじめとして、社会
学に関する学部や大学院課程が設置されています)
01
社会学の概要
社会学は、非常に幅広い研究対象と高い総合性を持つ学問分野であり、一般的には財政学・
経済学・法学・政治学・人類学などとともに、社会科学の一分野として位置づけられていま
す。研究テーマや研究手法においても多様性があり、伝統的な研究対象としては、社会階層・
社会階級・社会的流動・宗教・法・逸脱行動などが挙げられ、定性・定量両方の研究手法が
採用されています。
中国国内では社会学はまだ一般的とは言いがたい学問かもしれませんが、日本の大学院で
は非常に一般的な専攻分野の一つです。
社会学は多様な領域を内包しており、その細分化された分野も実に多様です。たとえば、社
会組織論・社会心理学・社会運動論・社会福祉論・ジェンダー社会学などがあり、社会学に
関心があれば、きっと自分に合った研究テーマを見つけることができるでしょう。
02
社会学に転向することのメリット
- 前述の通り、社会学は非常に多様なテーマを扱う包括的な学問であるため、他分野からの転向を希望する学生でも、自分の関心のある研究分野を見つけやすいという特徴があります。もし学部時代の専攻に満足していない場合は、社会学を一度詳しく調べてみて、自分が情熱を持って取り組める研究テーマを探してみるのも良いでしょう。
- 社会学は他のさまざまな学問分野と深く関わりを持っており、転向を希望する学生は、すでに学部時代に専門的な知識と学習経験を積んでいます。その知識は、今後の社会学研究において、理論的な裏付けや方法論として非常に有効に活用できます。
- 前述のように、社会学には非常に多様な研究テーマがあります。転向希望者は、自分の本来の専門分野を出発点にして、それと関連のある社会学の研究分野を選ぶことができます。たとえば、経済学出身の学生は社会経済学、心理学出身の学生は社会心理学の分野に進むことができます。学際的な背景は、複数の視点から物事を捉える力を養うのにも役立ちます。
03
おすすめの大学院
東京大学:人文社会学研究科、総合文化研究科など
京都大学:文学研究科など
早稲田大学:文学研究科、社会科学研究科、人間科学研究科など
慶応義塾大学:社会学研究科など
筑波大学:人文社会学研究科群など
04
出願要件
例:慶應義塾大学大学院 社会学研究科の場合:
1. 出願資格
2. 出願書類
ご覧のとおり、慶應義塾大学の社会学研究科であっても、出願要件は決して高嶺の花という
わけではありません。試験内容も**一次試験(筆記試験)と二次試験(面接)**に分かれて
います。
一次試験(筆記試験)の内容は以下の通りです:
出願資格を満たすこと自体はそれほど難しくありません。重要なのは、専門科目の対策と面
接準備をどのように進めるかです。
以上、社会学についての簡単な紹介でした。
他分野からの進学を検討している方には、選択肢が豊富で、他学部からの受験難易度も比較
的低い社会学は非常におすすめです。
ご興味のある方は、ぜひ自分が研究してみたいテーマを深掘りし、行動に移してみましょ
う!